Character キャラクター
大友敏郎幕僚長

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■大友敏郎幕僚長(日本国自衛隊 統合情報部長官)

■人物紹介:大友は典型的な日本男児である。仮に本作を映画化するのであれば俳優三船敏郎をCGで登場させるのが手っ取り早いだろう。彼ほど少ないセリフで多くを表現する能力に長けた役者が見つかるとは思えないからである。

■出生:1955年8月6日

■身長:5フィート9インチ (約1m73cm)

■体重:161ポンド (約 73kg)

■外見:大友はがっしりしたずんぐり体型ながら信じがたいほど上品な物腰の男である。表情は「標準顔」と「それ以外の全て」(上記画像参照)の二通りしか見せないが、後者の「万能表情」で無限とも言える幅の深遠な感情を伝えることができる。彼の外見、言動や表情については黒澤明監督の「用心棒」「椿三十郎」「七人の侍」「天国と地獄」などを参照のこと。

■性格:大友が演じている人格が実在のものであったなら、人類史上最も偉大なる人物となるだろう。名誉と自らの信念の正当性を盲信する余り、大義のために自分が犯した欺瞞や残虐行為をまるで意に介していないのが実情である。そしてその大儀が国民の総意であると信じ込んでいる。大友は自信・説得力・実行力と歪んだ思想との組み合わせがいかに危険であるかを世に知らしめるのに理想的な一例といえる。

■経歴:原爆投下の10周年当日に広島県広島市で生まれた大友の誕生日は毎年、第二次大戦での日本の敗北の記憶を伴っていた。まだ若い頃に両親を二人とも癌で失い、若年時代を通じて両親の死が広島原爆の後遺症によるものだということを認めまいと苦悩し続けた。天涯孤独の身となった彼は18歳で自衛隊に入隊し、日本と米国の間の政治的・経済的結びつきの熱烈かつ頑なな信者となったが、歳を重ねるにつれ日米関係に関するいくつかの事実を否定しきれなくなっていった。自衛隊内での地位が素早く上がっていく中、このような自己否定の連続こそが彼の人格を形作ったといえよう。80年代には自衛隊の二佐として諜報分野で活躍するようになった彼は高度経済成長と家電産業の誕生による日本の影響力の劇的な拡大と、それらの産業から情報技術の分野が派生するのを目の当たりにした。大友はこれと並行して、生涯を通じて続けてきた第二次大戦史の研究より同対戦における日本の唯一の失策は情報管理面の不備であり、敗戦は敵の軍事情報の総体によるものではなく、情報通信という小さな一分野が引き起こしたものだとの確信に至った。このような失態を繰り返すまいと誓った彼は、統合情報部設立への支持をとりつけるための内なる闘いを開始したのであった。